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盆だとて一人暮らしの夕ご飯 [日常日記]

お盆は先祖を祭るといった日だが、あちこちから帰省した親戚が集まり、にぎやかに夕餉を囲むというのが近年のあり方らしい。高速道路も新幹線もラッシュとなっている。しかし、連れ合いの入院で一人暮らしになっている僕は、そういったお盆の行事とは無縁だ。夕食も一人で食べるしかない。

当初は一人なら外食と決めていた。しかし、一人でレストランは間が持たない。料理が運ばれてくるまでの間、することもなく黙って待つのはつらい。さらに問題なのは食後だ。腹がくちて、しばし、まったりと休みたいのだが、一人だとそうもいかない。せかされるように、そそくさと店を出て家路につかなければならない。

やはり、家で食いたいから、弁当を買って来る事にした。しかし、弁当というのは「かきこむ」といったイメージがあり、どうも落ち着かない。いろんな弁当が売ってあるが、結局はみんな同じような味なのですぐに飽きてしまう。ブログを見ていると弁当で済ましている人がかなりいる。面倒を省くという意味では、コンビニで弁当宅配と言うのもあるようだ。しかし弁当ごときに1000円もかかるのはいかにももったいない。

今のところ、毎日3000歩歩くというルールを順守するために、毎日買い物に行く事にしているが、いずれ買い物に出かけるのが容易でなくなるかもしれない。その時は生協にお願いしようと思っている。栄養バランスも考えてあるようだし、値段も500円見当で、老人世帯には無料で配達してくれるということだ。コンビニの弁当を配達してもらうなどと言うのは愚策だろう。

弁当でとりわけまずいと思うのはご飯だ。コストダウンのために、安手の米を使っているから仕方がない。この点に関して、僕はすでに対策を確立している。土鍋で0.5合を炊くことができる。やはり炊きたてのご飯は美味しい。問題のおかずだが、これはスーパーに出来合いのものが豊富にそろっていることがわかった。僕が一人暮らしをしていた学生時代とは決定的に違う。

冷凍食品もそんなにまずいものではない。同じラーメンでもインスタントより冷凍食品のほうがかなり旨い。保存料などの添加物も冷凍食品には少ない。コストの点では、レストランで食べると1400円くらいだが、ファミレスなら980円だろう。同じものが冷凍食品なら400円になる。ファミレスの味は冷凍食品以下だから、そんなところに行く必要はさらさらない。

更なる発見はスーパーのおかずは時間帯で値段が違うということだ。毎日朝晩二回病院に見舞いに行くのだが、帰りは7時頃になることが多い。僕の夕食時間は少し遅い。帰りにスーパーによると、おかずが値引きされている。今日の晩御飯は大きなカレイの煮付け450円が350円になっていた。コロッケ58円、和風サラダ45円、鰹節をかけて冷ややっこにする絹ごし豆腐2個で98円、それに味噌汁。味噌汁はインスタントだが、豆腐を入れると立派なものだ。大体一食500円で納まるし、弁当よりもはるかに満足度は高い。これなら例え国民年金だけでも暮らして行けるのではないだろうか。

それでも一人で食べる夕食はわびしい。わびしさ、味気なさを抑えるのは盛り付けであることに気が付いた。買ってきたものをパックからそのまま食べるのでなく、食器に盛り付けるのがいい。弁当でさえ、パックから出して茶碗に移し、お皿に盛り付けると、ご飯という雰囲気が出てくる。家族での団らんと一人暮らしの違いの一つは食卓に食器が並ぶかどうかなのだ。

だがしかし、僕は一人暮らしの工夫などしたくない。連れ合いが退院して食事を復活してくれるまでの辛抱なのだ。入院が長引いたり繰り返したりすることなんかあり得ない。そうに決まっている。
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夏の日にひとりで迎える古希の朝 [日常日記]

今日僕は70歳になった。連れ合いは入院中であり家の中には一人しかいない。そういえば還暦の朝も僕は一人で病院のベッドに寝ていた。間質性肺炎の急性増悪の最中だったからだ。あれから10年を生き延びたことになる。あの時立てた父の年齢を超えるという目標にあと2年まで近づいている。

酒債尋常行處有人生七十古來稀。古希という言葉の由来となった杜甫の詩だが、酒代の借金だらけだけどかまうものか、どうせ70歳まで生きることはめったにないのだから今のうちに楽しむべきは楽しんでおかねばと言う内容だ。そのめったにないことに到達したのだから幸運というべきだろう。

統計でみると、僕の同世代の男は70歳までに1/4が死んでいる。幼なじみの友人には60歳前後で亡くなったやつが多い。ちっ、顔を思い浮かべてみると若くて元気な姿しか思い浮かばない。大学の同級生は不思議とみんな元気で、いまだ現役で活躍している奴も結構いる。しかし、今後80歳までに半数が死ぬことになるはずだ。僕もその一人だろう。

連れ合いの入院は二回目である。正直、一回目の入院は僕も困った。なにしろ、家事は全て彼女に頼っていて、僕は買い物すらしたことがなく、どう生活したらいいかわからなくて不安だった。今回は違う。毎日食事も作っているし、昨日は洗濯機も回した。彼女の体調不良で僕も訓練されてしまったから、何でもできて生活に不安はない。

それが悲しい。洗濯した着替えを病院に持って行ったら「ありがとう」と言われてしまった。僕はこれまで「ありがとう」などと言われることをしたことがなく、「どうしてこんなことができないの、ダメねえ」と言われるばかりだった。自然と出来上がった家の中の役割で、僕はダメな夫でいることが心地よかったのではないだろうか。まあ、彼女に甘えて過ごしていたということだ。

今日からカイプロリスの点滴が始まる。心臓への負担をモニターするための入院だが、担当医との面談で、副作用が軽いわけでもなく、効果があったとしても、体力的に自家幹細胞移植は難しいかも知れないと言われてしまった。抗がん剤投与と副作用との戦いが際限なく続くというのはあまりにも厳しい。

強い倦怠感で、読むことも、聞くことも楽しめず、何を食べてもおいしくないといった状態なのに、「現状をなるべく長く維持することが治療の目標」だとは納得できない。
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再度の挫折-----進まない抗がん剤治療 [骨髄腫]

配偶者の多発性骨髄腫。自家幹細胞移植を目指しているのだがなかなかうまく行かない。CBD療法はエンドキサンがきつくて挫折。VD療法は4クールやったけど成果がいまいち。VRDにしてやっと効いて来たと思ったら、これも倦怠感が強く、眠れず、食べられずでかなり衰弱して来ている。

しかし、ネガティブばかりではない。何よりも、圧迫骨折の痛みが薄らいだのは相当な進歩だ。痛み止めにオキシコンチンは欠かせず、毎日ボーッとしていたのだが、これは解決する。断薬には激しい離脱症状を乗り越えなければならなかったがなんとかなった。あと少しの事だからと励ましながら通院日に臨んだ。

痛みは取れているし、眠れないのは眠剤を処方してもらえばいいからそれをお願いしようと打ち合わせていたのだが、倦怠感疲労感は限界を超えていたようだ。突然「レブラミドをやめてほしい」と自分で言いだしてしまった。これには僕も慌ててしまった。先生は、基本的に患者の希望を受け入れる立場だ。完治のない病気だから、最初から緩和ケア的な対応がある。

確かに衰弱が激しく、このままではたとえ寛解したとしても、肝細胞採取ができるだけの体力が続かないようにも思う。2クール目に入っており、あと少しで予定の3クールが終わるし、確かに効果が見えているのだから残念ではあるが、再びの挫折を受け入れるしかない。

実は僕は耳がよく聞こえなくなっていて、詳細は聞き取れなかったのだが、先生は、レブラミドなしの治療として新薬カイプロリスの使用を考えているようだ。病院のベッドに空きが出来たら、入院して試してみることになった。それまで、またVD療法に戻る。VDでは進展は望めず現状維持でしかない。

カイプロリスはベルケイドの改良版で、より選択性が高く、ベルケイドで問題だった末梢神経障害を低減させたものだ。カイプロリスならレブラミドなしで効果が出るという保証があるわけではない。KRD療法としてカイプロミスでもレブラミドとの組み合わせが多いようではある。新薬カイプロミスは、ベルケイドが効かなくなった時に使えると思っていたのだが、ここで使ってしまうと後の手がないことも気になる。心臓への負担もあるし、彼女は副作用に敏感だから新たな副作用が出現するかもしれない。

レブラミドを停止して一週間くらいになるが、食欲が出てきたし、倦怠感も少しは和らいだようだ。症状としては元気になっているが、もちろんこれは骨髄腫の治療が進んだわけではなく副作用が低減されただけだ。おそらく来週から入院でKD療法が始まる。良く効いて、副作用も少ないことを願う。なんとか幹細胞移植にたどり着きたいものだ。

戦果は出ている、けど味方の消耗も激しいーー抗がん剤投与 [骨髄腫]

我が連れ合いの多発性骨髄腫。VRD療法3クール目になった。BD療法で行き詰まり停滞していた数値も再び下がりだした。IgG1121、これは正常範囲に入った。βマイクログロブリン2.3、あと一息で2を切ることができる。感度の良い、フリーライトチェーンはまだκが1360だからとんでもなく高く、κ/λも97だから1.4には程遠い。しかし、一か月前は545だし、その前は高すぎて測定不能だったことを思えば相当な改善だ。

ただ、症状としては悪化が進んでいる。副作用で一日中寝込んでいる日が多くなった。圧迫骨折の痛みが続いており、コルセットをつけてオキシコンチンを処方されているが、これも長い。骨折はそろそろ治癒してきてもいいはずだ。コルセットの圧迫感も長引くとつらい。しかし、痛みを感じない状態でコルセットを外すのは危険だ。また他の骨折をしたのでは元も子もない。

痛み止めの麻薬オキシコンチンを6錠から3錠さらに2錠に減らしてきた。減らしても痛みは、そんなに増えないから多分圧迫骨折は治癒してきているのだろう。炎症反応を示すCRPも下がってきている。しかし、減らすたびに強い離脱症状が出る。今回とうとうゼロにした。1錠2回を急にやめてしまうのはきついと思ったのだが先生は「1錠以下はありません」というころで、半錠という提案は没になった。

案の定、やめた翌日から3日に渡って吐きまくり、夜中も嘔吐で寝られず、体中に痛みが出てくるし昼間も倦怠感にさいなまれることになった。何もする気がなくなる。離脱症状は一時的なものであるが、倦怠感などの副作用は持続する。おそらくレブラミドの副作用だろう。食欲もなく体重がかなり減って来ている。気力も減退して弱気なことを言いだした。

体力の消耗が激しいが、あと2クール。なんとか持ちこたえて、寛解に持ち込み自家幹細胞移植に持って行きたい。ガイドラインによれば65歳以下が対象なのだが、治療開始の時に、元気だから持ちこたえられるという判断だった。今なかなか微妙なところに来ている。年齢で対象外としているのにはやはり理由があったのだ。「我敵陣ヲ突破セリ、サレド味方ノ損傷ハ極メテ多シ」といったところだ。

古い写真のデジタル化 [日常日記]

どこの家にも古い写真がたくさんあるだろう。80年代、90年代にはカラー写真が普及して、プリントも安くなったから多くの写真が残っている。連れ合いがアルバムを作っていたが、写真が多くなり過ぎで、かなりの写真が箱に入ったまましまい込まれている。整理をしようと思っても、色あせた写真が多い。当時のプリントの質は高くなく長期の保存には耐えられない。

カラープリントが長期の保存には耐えられないとわかってはいたので、僕は長く残したいと思う写真にはスライドフィルムを使うことにしていた。アルバムのように手軽にいつでも開けられないし、プロジェクターで映すにしても、昼間は明るすぎてダメだから、夜に限られ、連れ合いからは評判が悪かった。しかし、これが功を奏して40年後の今も色はかなりの鮮やかさを保ってくれている。

しかしながら、手軽に見られないという難点は相変わらずだし、この先だんだんと色あせていく事は避けられない。昨今の写真はデジタルファイルだから、保存に問題はないし、テレビ画面に大きく映すことも出来るから絶対優れている。この際、古い写真をデジタル化しておくのがいいだろう。第一、デジタル化すれば場所も取らなくなる。

出始めの頃のスキャナーは300dpiで、プリントした写真しかスキャンできなかったが、最近は2400dpiつまり100分の1ミリ単位の読み取りができ、スライドフィルムを直接読み取ることができる。高分解能のスキャナーを手に入れて実際にやって見たらスライドが見事にデジカメ写真に返還された。これはいい。

ところが実はここに大きな問題があった。それは時間がかかることだ。スキャナーはA4の大きさを持っており、2400dpiでスキャンするとかなりの時間がかかる。必要なのは35mmの範囲なのだが、仮スキャンして位置を定めなければならない。フィルム面は帯電して埃が付くから、ふき取りも必要だ。結局、一枚のスライドに5分くらいの時間がかかる。

1000枚近くあるスライドをデジタル化するには相当な根気がいる。暇に任せて連れ合いにゆっくりやってもらおうかと思っていたが、抗がん剤治療が始まった今、とてもそんな元気はない。僕だって10時間もスキャン作業を続ける気力は失せているから、正直、降参するしかない。

世の中にはこういった需要があるのだろう。「フィルムスキャナー」という商品がある。数千円くらいからあり、簡便にフィルムをデジタル化できる。これはスキャナーとは言っているが、フィルムを透かして見て内蔵のデジカメで写すものだ。画素数から言えば2400dpiに匹敵するのだが、内臓のデジカメのレンズがいい加減だからピントが甘い。一般に接写のピント合わせはなかなか難しいものだ。結局かなりぼやけた写真になってしまう。評判は良くない。

一方で、デジタル化ビジネスというのもあることがわかった。フィルムや写真を送ればデジタル化してくれるのだ。納期を急がなければ一枚25円といった安い価格で引き受けてくれる。1000枚で25000円だ。根気がなくなった自分の現状を考えるとこれくらいの出費は惜しくないような気がする。一枚5分かかるとなると時給300円の仕事だ。

ん? そんなビジネスがあるか? ひょっとしたら。「フィルムスキャナー」を使ってピンボケ写真を作ってくれるだけなのではないだろうか?ネットを検索してどんな品質に仕上がってくるのかを調べて見たがあまり情報はない。古い写真をどうするか。なかなか結論が出ない。
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